デジタルオーディオプレーヤ用 プレイリスト転送ツール

2011/09/01 (2017/07/21更新)

OLYMPUS製のボイスレコーダのVoiceTrek(筆者はV-75を使用)は、「ミュージックプレイヤとしても利用可能」と、なっており、実際に高音質のステレオで音楽を聴くことができ、評判も良い。
しかし、専用ツール等は一切付属せず、WMPやiTunesを使うということになっている。

●WMPで転送した場合の問題点
だが、実際に説明書にある通りWMPで転送すると、たとえプレイリストを指定して転送したとしても、アルバム毎にフォルダが作成されてしまう。
Voice Trekのファイル連続再生は全ファイルまたはフォルダ単位のみであるため、これではアルバム単位以外での任意の連続再生は無理である。
よって、この方法は実用するに厳しい。

●iTunesで転送した場合の問題点
そもそも筆者はApple嫌いであるため、iTunesをインストールしていない。

●手動でファイルを転送し、「並び替え」機能を使うと…
  そこで、エクスプローラでプレーヤに直接アクセスし、MUSICフォルダ以下にフォルダを作成、再生したいWMAやMP3を並べていくことになる。
しかし、フォルダにファイルが並んでいるだけでは本来順序が無いため、実際に再生すると、意図しない順序で再生されてしまう。
これを、意図した順序にするため、Voice Trekにはファイルの「並び替え」なる機能がある。これを使うと、任意の順序での連続再生が可能になる。
少し面倒だが、とりあえずめでたしめでたし、と思ったのも束の間、「並び替え」をしたあと、このフォルダに新しいファイルを1個でも追加すると、並び替えたものが全部キャンセルされて、元の出鱈目な順序に戻ってしまう。
一曲追加するたびに、全ての曲を手動で並び替えるのは厳しい。

●このプレーヤにおける、デフォルトの並び順とは?
このプレーヤにおいて、最初にコピーして、「並び替え」を一切しない状態でのデフォルトの並び順とは何か? 一見出鱈目に見えても何か法則があるはずである。
少し調査してみたところ「転送した順」という情報があったが、手元に沢山あるWMAを転送してもそのようにならない。少なくともエクスプローラ等でコピーしている限りにおいて、この仮説は違う。

色々試行錯誤した結果、たどり着いた見解は…
「ファイルのタイムスタンプの「更新日時」の昇順に再生される。」
というものだった。

●このツールの動作内容
wplまたはm3u形式のプレイリストを読み取り、そこに含まれるメディアファイルを先頭から順にコピーする。タイムスタンプ以外の情報は一切書き換えず、形式変換などはしないので、WMAやMP3以外でファイルを持っている人は自分で変換なりしておくこと。
「更新日時」の昇順に再生されるということを利用するため、リスト先頭にあるファイルが一番古いタイムスタンプ、以後、少しずつタイムスタンプを増加させながら転送する。

プレーヤのメモリはFAT形式であるため、タイムスタンプは2秒単位でしか記憶できないので、何も考えずに書き込んでしまうと、順番の近いファイル同士が同じタイムスタンプになってしまう可能性がある。これを避けるため、隣接ファイル間が2秒以上離れるようにタイムスタンプ操作を行なっている。

●使い方
このツールは、プレイリストと同名のフォルダをプレーヤのMUSICフォルダ以下に作成する。
転送する前に、まず、MUSICフォルダ内にこれから転送するプレイリストと同名のフォルダが無いことを確認する。既にある場合は削除すべし。

コマンドラインから下記のように入力することで転送が開始される。
このツールにGUIなどという洒落た物は無い。
vtrans <playlist>.wpl <destination>

例) vtrans C:\PlayList\PlayList.wpl E:\MUSIC\

  destination先頭のE:は、プレーヤが認識されているドライブの文字。
  エクスプローラで確認して、適当な文字に置き換えるべし。

  いちいちコマンドラインから手打ちするのも面倒なので、下記のような内容のバッチファイルを作り、この上にプレイリストファイルをドラッグ&ド ロップするとよい。

C:\Application\VT_Trans\vtrans %1 E:\MUSIC\
pause

"C:\Application\VT_Trans\"の部分は、vtrans.exeのあるフォルダ名に書き換えること。
"E:"の部分はプレーヤの認識されているドライブ文字に変更すること。

●2017/07/21追記: 追加機能
USBメモリ内の音楽を再生できるプレーヤ(Panasonic製のミニコンポなど)において、ファイル名の昇順で再生する物があったため、機能を追加した。
オプション"/n"を追加することで、転送先のファイル名先頭に"01"などの番号を自動追加する。これにより、上記挙動のプレーヤでも意図した順序で再生できる。
この機能を使う場合は、下記のように"/n"オプションを追加すべし。
下記はPanasonic製ミニコンポ向けのUSBメモリに書き込む際のバッチ作成例である。

C:\Application\VT_Trans\vtrans /n %1 E:\
pause

"C:\Application\VT_Trans\"の部分は、vtrans.exeのあるフォルダ名に書き換えること。
"E:"の部分はプレーヤの認識されているドライブ文字に変更すること。

●利用条件、改変・転載等
このツールは筆者の所有する機材でしか動作確認していませんが、もしかしたら、他社機含めた他の機種でも利用価値があるかもしれません。
このツールを使って起きたことについて、作者は責任を負いません。上記説明およびソースコードを良く読んでご利用ください。
改変、改良、転載とも、ご自由にどうぞ。

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